今日よりも明日

道路の歩道と車道の境目には、
砂やつちがたまりやすいものです。
この砂や土をなめるようにきれいにしておくと、
次回からの掃除がやりやすくなり、
掃く時間が大幅に短縮されます。
ところが、この砂や土を放っておいて、
上っ面のゴミだけを掃いていると、
いつまでも掃除に手間取ります。
何事も問題の原因を億劫がらずに、
根底から改善することです。

トイレ掃除の心得

トイレ掃除の心得は、思い切って素手で行うことです。
しかも両手をしっかり使うことです。
目というのは、非常に臆病にできていますが、
手は勇気があります。
汚い物でも、一度触ってしまえばなんともないものです。
私は、いまでは、トイレの雑巾で顔の汗を拭いても
何とも思わなくなりました。

幸せな豊かさ

いまの日本は、物質的には豊かであっても、
社会全体は荒んでいます。
この「不幸せな豊かさ」を、
思いやりに満ちた「幸せな豊かさ」に
変えていかなければ、日本はよくなりません。
そのためには、一人ひとりが謙虚な生き方を
することだと思います。
謙虚な人は周囲を穏やかにします。
謙虚になるための確実で1番の近道が
トイレ掃除の実践です。

心を磨く

人間の心は、そう簡単に磨けるものではありません。
ましてや心を取り出して磨くことなど
ということはできません。
心を磨くには、とりあえず、目の前に見える物を
磨き、きれいにすることです。
特に人の嫌がるトイレ掃除を永年続けていると、
知らず知らずのうちに自分の心も磨かれ、
浄化されるような気がします。

才能の使い方

生きていくうえで、才能はほとんど関係ありません。
もちろん、ないよりはあるほうがいいわけですが、
あっても使わなければ意味がありません。
問題は何に使うか、どういうときに発揮するか、
にかかっています。
悪いことや自分のエゴのためだけに使ったり、
ただ自慢するくらいなら、むしろないほうが
いいわけです。
少しでも人が喜ぶことに使うことです。

気づき

世の中で、成果をあげる人とそうでない人との差は何か。
それはムダがあるか、ないかの差だと思います。
では、ムダをなくすためにはどうしたらいいか。
それは、気づく人に人になることだと思います。
気づく人になることによって、ムダがなくなります。
その気づきを引き出すのに、もっとも効果的だったのが、
私の場合、トイレ掃除でした。

社員の入退社

高度経済成長時代、社員の入退社が頻繁にありました。
白い封筒を胸ポケットから出されるたびに心を
いためておりました。
そんなとき、いつも自分自身に
言い聞かせたことは、やめていった社員が
「辞めなければよかった」、
在籍している社員が
「この会社に残っていてよかった」と
思ってくれるような会社にしたい、
ということだけでした。